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東京高等裁判所 昭和60年(行ケ)79号 判決

一 請求の原因1(特許庁における手続の経緯)、2(審決の理由の要点)及び3、(一)(原告が一般機械器具卸売業を営み、原告主張内容の金属製水道管の加工、販売を行つていること)の各事実は、当事者間に争いがない。

右争いのない請求の原因1及び3、(一)の各事実によれば、本願商標の指定商品が原告の業務に係る商品であることは明らかであるから、原告の業務に係る商品ではない商品を指定商品としている旨の審決の認定、判断は誤つているものというべきである。したがつて、本願は原告の業務に係る商品ではない商品を指定商品としているとし、これを理由に、本願商標が商標法第三条第一項柱書の要件を具備しないから登録をすることができないとしたのは違法といわざるをえない。

二 よつて、審決の取消しを求める原告の本訴請求は理由があるから、これを認容する。

〔編註〕 本件における事実関係は左のとおりである。

1 特許庁における手続の経緯

原告(本願出願時の商号は、「有限会社ジエス」であつて、昭和五五年七月九日有限会社法に基づく組織変更により現商号となる。)は、昭和五一年四月二日、別紙に表示した構成よりなる商標について、指定商品を第七類「金属製水道管その他本類に属する商品」として、商標登録出願(昭和五一年商標登録願第二〇二七六号)をしたところ、昭和五五年四月二五日拒絶の査定を受けたので、同年五月二六日審判を請求し、昭和五五年審判第九五一四号事件として審理されたが、昭和六〇年三月五日「本件審判の請求は成り立たない。」との審決があり、その謄本は、同年四月三日原告に送達された。

2 審決の理由の要点

本願商標の構成、指定商品及び商標登録出願についての手続の経緯は、前項記載のとおりである。

ところで、本願に係る請求人(原告)の業務は、登録出願当初「機械器具設置工事業」と表示されていたが、昭和五四年一〇月三日付手続補正書をもつて、業務の表示は「一般機械器具卸売業」と補正されたものである。

しかして、補正された該業務は指定商品との関係における商品の表示がなく、また、その業務を裏付ける何等の資料も提出されていないから、請求人(原告)は、本願指定商品に係る業務を行つているものと認めることはできない。

してみれば、本願商標は、商標法第三条第一項柱書の要件を具備せず、登録することができない。

3 審決を取り消すべき事由

(一) 原告は、一般機械器具卸売業を営み、金属製水道管の加工、販売を行つている。

即ち、原告は、他の製造業者から購入した鉄管、鋼管の内側に部厚い硬質塩化ビニール管の裏張りをして、いわゆるライニング鋼管なる金属製水道管を加工し、これを他に卸売、小売し、またその配管、設置工事を行つている。

(二) したがつて、指定商品は原告の業務に係る商品であり、被告が後記釈明するように、本願が原告の業務に係る商品ではない商品を指定商品としている、との審決の認定、判断は誤つており、これを前提に、登録をすることができないとした審決は違法である。

二 被告指定代理人は、「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求め、「請求の原因1、2及び3、(一)の各事実は認める。同3、(二)のうち、審決の認定、判断は誤つている旨の主張は争う。」と述べ、「審決が本願に対する拒絶の理由とするところは、本願が原告の業務に係る商品ではない商品を指定商品としている、との趣旨である。」旨、付陳した。

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